企業が行う人材育成の中で一番予算と時間を費やすと言われている管理職研修の中身
管理職研修は懇切丁寧な指導と教えない指導どちらが効果的か?
私の研修講師としてのスタートは管理職研修を専門とする研修会社でした。
しかも、在籍9年間で一番多く担当したのが13日間の合宿研修でした。
実はとても懇切丁寧に指導していました。
本来はやり方を説明してあとは各自に考えさせるべきなのですが、課題の量が膨大の上に納期が短期のものばかりでした。
そのため、担当講師として休憩時間を割いてでも受講者のそばに行き細かな点にまで指導していました。
例えば、テーマに沿って5分間のスピーチを構成し、試験官の前で発表するテストがあったのですが担当する10数人の原稿の内容を一言一句確認していました。
当時は懇切丁寧に指導することが受講者のためと思っていました。
今振り返れば大きな過ちを犯していました。
集合型の研修でしたので、各企業の部長や課長の方が参加していました。
参加にあたり経営者などから細かなご要望をいただくこともありました。
「○○課長の弱点は△△なところなので、強化して欲しい」と結構踏み込んだご要望が多くありました。
企業にしてみれば、貴重な予算の中から研修費を捻出します。
研修参加中の直接・間接経費を考えれば、短期間で成長を期待していることが見えてきます。
しかし、企業側の意に反して研修の現場では目的を見失った研修カリキュラムが組まれていたり、的外れな指導が行われていたりする場合があります。
外資系のコンサルタントや大手の研修会社では、受講者用のテキストが製本されていて事細かに研修で行うことが記されていることがあります。
予習や復習をする観点から見れば正解です。
しかし、研修中にそこまで懇切丁寧なテキストや資料が必要か疑問に感じることがあります。
講義中に受講者の言動観察を行うことがありますが、テキストが分厚く事細かに記されている様な時は講師の話を聞かず、テキストにばかり目が行っている受講者が多くいます。
ホワイトボードに記したポイントはメモに取らなくてもテキストに記してある場合もあります。
果たして、受講生のためなのかそれとも研修会社や研修講師の保身や満足のためではないのかと感じることもあります。
テキストも研修資料も渡さずに、口伝のみで管理職研修を行ったこともあります。
受講者は講師の話を聞き洩らさないように必死だったことを思いだします。
テーマだけ与えて、自分で考えてくださいと2時間くらいほったらかしにしていた事もありました。
分析することをノートに書いては消しての繰り返し、または、仲間と議論しながら結論を探すなど講師が教えないスタンスで研修を進めていました。
思考力、発想力、独自性、想像力、分析力などいろいろと鍛えられていたように感じます。
さて、あなたの会社の管理職研修はいかがでしょう?一度、確認してみることをお勧めします。
業種・業界・創業者の想い・お客様のニーズ・地域性など様々な要因を考えると見過ごしていることがあるはずです。