企業が外部の研修講師に社内の人材育成を任せる場合のポイント
様々な企業の人材育成を担う研修講師の実態
研修講師と一口に言っても様々な形態で活動が行われています。
よく見かけるのが、研修会社の社員として勤務しながら研修講師を行う形態。
または、研修会社に講師登録を行って研修講師として活動するスタイルが多いです。
後者は前者の形態でキャリアを積んで独立する講師がいます。
また、専門スキルが高い分野でコンサルタントとして活動していて研修会社に登録する人もいます。
いずれにしても「先生」と呼ばれることが多くあり、とてもやりがいのある仕事です。
しかし、そこにあぐらをかいてしまい「先生病」にかかってしまう研修講師がいるのも事実です。
そもそも研修講師になるための正式な試験は存在していません。
研修会社では社内に規定が設けられていて、社内資格の様なかたちの認定制度があったりします。
ちなみに私が研修会社に入社した時は、見習助手からのスタートでした。
その上に三級・二級・一級とランクがありました。
一級助手の次が見習講師となっていてかなり細かく階級が決められていました。
結構厳しい特訓がありました。
分厚い講師マニュアルの丸暗記、一人芝居、講師間チェック、正式デビューのような流れでした。
しかし、あくまでもその研修会社の創業者の思想信条にそった内容であったと今は感じます。
実は、教育指導に関する理論や受講者の心理の様な内容は一切ありませんでした。
数社の研修会社の講師と親交があり、確認してみましたがにたりよったりでした。
幸運なことに私は学生時代に教職課程を履修していました。
自分の出身高校に教育実習にも行きました。
教職課程では、学生の心理や授業の構築方法や60分の授業の展開方法など文字通り事細かに学びました。
私の場合は中学と高校の社会科の教員免許を取得しました。
従って、教科の内容に関する追加の履修と社会科教育法という講義も受講しました。
そのため、研修講師として身につけるべき基本的なことは身についていることが実際に講義をするようになって再認識することが出来ました。
その中でも学生時代に一番身になったと今も思っているのが、60分の授業を行う場合に考える指導案の作成でした。
導入、展開、まとめの3段階で指導案を考えるのですが研修講師として活動している今も大変役に立っています。
研修講師という資格がないので、ある意味誰でも研修講師を名乗れるのが現状です。
指導するべき専門スキルは高くても、指導の原理や受講者の心理を知らない・理解していない講師が存在しているのも現状です。
自社の大切な人材育成を依頼する講師の力量によって、成果結果も大きく変わってきます。
予めの法則にあるように予備、予想、予見、予習、予測しすぎて困ることはありません。
聞きにくいことかもしれませんが、担当する研修講師の知識・経験・バックボーンなどを把握することをお勧めします。