企業が行う人材育成の課題解決で人間力向上のためには一事が万事を見逃さないこと
企業の人材育成では一事が万事を見逃さないこと
研修に行くとその会社や働いている人たちの基本的な姿勢が見えてきます。
中には社長自らが鈍感な人もいます。
ある地方のかなり大きな製造業の会社でのことです。
社長以下役員がオブザーバーと称して最後列に参加していた若手のリーダー研修での一コマです。
開講にあたり、社長の訓示が約5分ありました。
その後、バトンタッチして私が開講の挨拶を行いました。
講師として、挨拶をしながら受講者の言動観察を行います。
当然ですが、社長が訓示をしている時から受講者の社長の話を聞く姿勢を事細かく観察します。
ここでは、メモを取る人と相槌を打っていた人は皆無。
社長の訓示中によそ見をしたり、下を向いている人半分以上。
さらにバトンタッチして表情を見ると、朝から眠そうな人が数人。
一番驚いたのがガムを噛んでいた人が一人いました。これは、さすがに見逃すことが出来ませんので指摘をしました。
一事が万事、社長が鈍感だとこのような会社あるんです。
仕事に取り組む姿勢、製品やサービスに対する姿勢、お客様に対する姿勢などすべてに悪い影響を及ぼしてしまいます。
企業の人材育成では、何とか理論や何々スキルがどうのこうの言う前にやることがあります。
たいていの人があんなこと・そんなこと・こんなことと感じるような些細な事でも疎かにしてはいけない場合があります。
もちろん、業種・業界・職種・地域性によっても違うと思いますが一事が万事を忘れてはいけません。
この会社、業界を襲った世界的な不況の影響でなんと35%のコスト削減を行わないとならない重症の会社でした。
コスト削減を取り組んだことがある人なら35%という数字が天文学的な数値に近いと感じるはずです。
社長を筆頭に全社員、協力会社を含めて文字通り一丸にならないとなりません。
些細な事を見逃している場合ではありません。
人のちょっとした気のゆるみが、10人100人1000人となったら取り返しのつかない状態を巻き起こします。
この会社、実際に取り返しのつかない瀕死の状態でした。
研修前の最終打合せの際、広い構内をヘルメットと安全ブーツを着用して総務担当の執行役員と一緒に巡回しました。
お客様用の色の違うヘルメットを私は着用していました。残念ながら、挨拶をしてくれた人皆無でした。
製造現場なので、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の観点からみると躾以外は表面上はかなり徹底されていました。
表面上はです。
研修講師の目は悲しいことに職業病で裏面に目が行ってしまいます。
私の場合は人材育成の専門家なので、人材育成の視点で鬼の目チェックをしました。
問題が発生しますので、詳細はここでは割愛しますが100項目以上の指摘箇所が浮上してきました。
だからこそ、呼んでいただいて研修実施となったわけなんですが。
細かな点、一事が万事を見逃してはいけません。
若手クラスのリーダー研修を行って現場を引き締めようと思っていた社長、役員は一日研修にオブザーバーとして参加して何を感じたのか。
実は自分たちの行動を猛省したんです。会社が瀕死の状態なのに、経営陣が後ろでふんぞり返って研修を見学していたことに罪の意識を感じましたと社長の弁。
早速、全役員、関連会社の社長を対象とした研修が企画されました。
そうなんです。
本気で会社を変えようとするならトップダウンは当たり前のことです。
笑えない話ですが、全役員・関連会社社長対象の研修で休憩後のリフレッシュスペースの使用状況「最悪」と評価して、片付け直しをしてもらいました。
タバコの灰が灰皿に山盛り、灰皿の下に灰が落ちている。
飲みかけのコーヒーがカップに入ったまま放置。
椅子がテーブルの中にきちんと入れられていない。
人がいないのに電気がつけっ放し。
出入口のドアが開けっ放し。
一事が万事なんです。
細かな事に、目配り・気配り・心配り・配慮する姿勢があるか、ないかで次の行動に変化が生まれます。
その行動如何によって、会社が変われるチャンスは結構あるものです。
一事が万事は人材育成を行ううえでとても大切です。
人間力を向上することが企業が行う人材育成で一番大切なポイント
人間力の向上が人材育成では大切
1992年の10月に研修講師の道に入り、27年目に突入しました。
紆余曲折を経て今日に至っています。
文字通り、北は北海道の釧路から南は沖縄の恩納村まで全国を研修で訪れています。
企業規模も、東証一部上場企業から社長以下2人の零細企業まで研修を担当してきました。
ここまでの道のりで気がついたことは山ほどあります。
しかし、その中でもとても大切と感じていることの一つに「ABCの徹底」があります。
Aは当たり前のこと。
Bは馬鹿にせずのこと。
Cはちゃんとやるのこと。
この「ABCの徹底」が出来ていない会社がほとんどだという事実をご存知でしょうか。
企業規模の大小にかかわらず、企業活動をしていると毎日様々な問題が発生します。
安全・品質・接客とあげればきりがないです。
その原因の多くが、当たり前のことを疎かにしてしまっていると私は研修の現場目線で感じています。
創業100年を超えている某メーカーがあります。
この会社は損得で判断せず、善悪で判断することを100年以上前から会社の方針として掲げてきています。
事実、ここ10年くらいの間に各社が「コンプライアンス」「法令順守」「ガバナンス」と声を上げています。
しかし、この某メーカー100年以上前から社内で事あるごとに事の善悪で判断決断することを会社の方針としてきました。
そんな会社でも、毎年のように安全・品質に関する問題が発生しています。
しかも、人為的ミスによる原因がほとんどです。
つまり、「A当たり前のこと」がA当たり前に行われていなかったという結論です。
この会社、原因の分析は半端ではありません。
一つの事象をとことんまで掘り下げます。
少し見方を変えて、「A当たり前のこと」とは何として当たり前のことなのか。
専門技術者(プロ)として
企業の一員(社員)として
仕事をする人として
社会人(大人)として
一人の人(人間)として
上記のいずれかに該当してきます。弊社では5つの階段(ステップ)と称しています。
専門技術者(プロ)としてA当たり前のことが出来ていないとした場合、知識・技術不足が考えられます。
知識・技術の研鑽を積む必要があります。
これなら指導教育でカバーできます。
企業の一員(社員)としても同様です。
問題なのが、社会人(大人)としてと、一人の人(人間)として「A当たり前のこと」が出来ていない場合です。
これは、一日研修を受講しただけではそうそう変わりません。
人の本質の部分なので、かなり厄介です。
しかし、ここに着目して指導教育をしていかなければ大変なことになってしまいます。
5つの階段(ステップ)に関してですが、専門技術者(プロ)としてどんなに知識・技術が高くてもその土台が腐っていたらどうなるでしょうか。
よく例えるのですが、専門技術者(プロ)の部分がビルの上物とします。
一人の人として(人間)の部分が建物の基礎とします。
ビルを建設する時、どんなに上物を着飾っても土台の基礎の部分が軟弱だとどうなるか一目瞭然です。
同じように、人材育成もどんなに素晴らしい知識・技術を身につけてもそれを使う人の根っこが腐っていたら駄目です。
テレビや新聞で毎日のように企業トップや教師、公務員の不祥事が報道されています。
社会的に地位も名誉もお金もある人たちです。
その分野でも専門家としてバリバリ仕事をしていたはずです。
何が問題なのか、やはりその人の人間性・人間力に問題があります。
一人の人(人間)としてA当たり前のことを、B馬鹿にせず、Cちゃんとやるべきなんです。
巷では歩行者用信号機が赤なのに平気で横断していく人をよく見かけます。
いかがなものでしょうか?
社員教育・人材育成の基本は明元素を徹底し、人間力の向上を図ること
人材育成で大切な人間力の向上
初めてお客様先を訪問した時、暗い表情で元気がない社員さんに対応されたらとしたらどう思うでしょうか。
また、商品に不具合がありカスタマーセンターに連絡した時に、高圧的な対応をされ逆ギレされたら感じるでしょうか。
このような状態を「暗病反」と表現する場合があります。
笑い話ではなく、我々の身近に結構存在しています。
先日も、契約している駐車場の管理会社に用事があって電話をしました。言った言わないの挙句、担当の方が逆ギレし始めました。
テレビCMでも有名な某企業なのですが、閉口してしまいました。
本人はそんなつもりはないとは思います。
しかし、電話でも相対していても言われた側がどう受け止めるかがポイントになります。
接客研修を行う場合、特にこの点が如実に表れます。
そのため、「暗病反」ではなく明るく、元気よく、素直にの「明元素」が大切なのですが、無意識でいる人が多いのが現状です。
では、なぜ「明元素」ではなく「暗病反」が多いのか。
それは、ほとんどの人が何か行動を起こす際は無意識でいるからです。
安全第一を旨としている製造現場の研修も数多く担当しています。
しかし、大なり小なり事故やケガはなくなりません。
当然、原因をとことんまで追求しています。
特に内的要因と言って自分のどこに問題があったのか分析していくと「確認するのが面倒くさかった」と本音が聞こえてくることがあります。
面倒くさいと思わないようにするには、一つ一つの動作を徹底的に意識して行うことです。
無意識でいるから暗い表情になります。
無意識でいるから元気がなくなります。自分立場を忘れて無意識でいるからお客様の前で平気で「ムッ」とした態度を取ってしまいます。
やはり、社員教育・人材育成の第一歩は新入社員研修の導入で行うような基本的なことにとても重要な要素が含まれています。
「挨拶は明るく、元気よくやりましょう」と毎年のように各社の新入社員研修で指導しているはずです。
上司や先輩から名前を呼ばれたり、指示が出た場合には「ハイ」と元気よく返事をしましょうと幼稚園児や小学生が習うようなことを指導している場合もあります。
「ハイ」と返事をすることは返事をした人の素直さが表れていると言われています。
明るく、元気よく、素直にの「明元素」を意識することで無用なトラブルは激減します。
しかし多くの企業では、新入社員には「明元素」を求めますが他の階層には当たり前のことすぎて敢えて求めていない場合がほとんどです。
この点がそもそもの間違いなんです。
課長になろうが、重役になろうがとどのつまり一人の人であることに変わりはありません。
誰に対してでも明るく、元気よく、素直な姿勢で接して悪いはずありません。
逆に本当に人間が出来た人は何歳になっても、どんな役職に就いても誰に対しても平等に接しています。
人相風体で人を判断したりしません。
自分の好き嫌いで接し方を変えることもありません。
人間が出来た人とはそのような人です。では、自分はどうか。自社の社員さんはどうか考えてみれば答えは見えてきます。
聖人君子のように人間が出来ていないのであれば、先ずは人間性・人間力を磨くこと。
その第一歩として、誰に対しても「明元素」を意識して行うこと。
人材育成を真剣に考えていねのであれば、人間性・人間力を向上させること、真剣に考えてみてはいかがでしょうか。
研修プログラムを構築する初期段階が企業の人材育成の課題解決に大いに貢献する真実
課題解決に適した研修プログラムが人材育成を左右する
研修講師として一番楽しい時間があります。
それは、各企業の社長や人事教育担当者の方と話し合いながら研修プログラムを一から構築している時です。
だいたいどこの研修会社でも階層別やテーマ別に研修プログラムが用意されています。
そのため、研修会社の営業担当がお客様のご要望を聞いて研修プログラムを当てはめていくのが普通の流れです。
ひどい場合は、研修会社の営業が受注してきた案件を業務委託している下請けの研修講師に丸投げして研修が行われる場合もあります。
お客様軸ではなく、研修会社軸になってしまっています。
これでは、お客様先の人材育成のための研修なのか疑問が湧いてきます。
研修会社の売上と利益確保のための活動のようになってしまいます。
ここで、考えるべきなのは社長や人事教育担当の方なら人材育成を行う目的は何かです。
研修会社は当然、研修を行う目的は何かです。
そもそも、研修会社の営業担当は営業活動をして売上を確保することが仕事です。
慈善事業で仕事をしていません。
厳しい営業ノルマが課せられています。
だから、引っ張れるひもは何でも引っ張ります。
出来もしないことでも
「出来ます」
「大丈夫です」
「お任せください」
と言うに決まっています。
「出来ません」
「無理です」
「不可能です」
なんて言ったら次がありません。
そのため、何でもお客様の言いなりに引き受けてきます。
その後どうするか、営業担当が研修プログラムを構築することはまずありません。
営業活動がメインなのですから。
そこで、冒頭の文章に戻ります。
営業の初期段階では社長や人事教育担当は研修会社の営業とやり取りをします。
しかし、話が進み次の段階に移行したのであれば担当する研修講師の同席を求めるべきです。
実際に受講者と対峙する研修講師に直接研修内容の細かな要望を出し、意見を求めることです。
経験豊富な講師なら様々なアイデアを持っています。
その場で「これはどうでしょう」「ここはこうしましょう」と的確なアドバイスをもらえます。
研修講師が研修プログラムを作成するうえでも現場の生の声が聴けます。課題の本質が何なのか理解できます。
私の場合で恐縮なのですが、そうやって毎回研修プログラムを構築しています。
出来上がった3時間のプログラムも3日間のプログラムも期間の長短に関わらず、何故か自分が受講したくなります。
プログラムを構築している段階からワクワクしてきます。
忙しい社長や人事教育担当者と、研修を担当する研修講師の貴重な時間を費やすため物理的に困難な場合もあります。
しかし、社内の人材育成に関する課題を解決するとても重要なテーマです。
そこは、多少の無理をしてでも打合せの時間を設けて、本気・本音・本心で話し合いを重ねていくべきです。
何のための研修なのか、目的は何なのか原点に戻って人材育成の重要性を考え直してみてください。
大切な利益の中から教育に関する予算を捻出して実施される研修です。
企業が行う人材育成のプロセスでお客様の存在が忘れ去られている事実
お客様の存在を無視した人材育成は失敗する
一部の人を除いて、仕事をする限り必ずお客様の存在を考える場面に遭遇します。
営業や販売などのサービス業ではほぼ毎日のようにお客様に直面します。
しかし、研究開発部門や総務部門などの間接部門で仕事をしているとお客様に直面しない日もあります。
さらには、お客様の存在を全く考慮しないような部署で仕事に就いている人もいます。
あるとても有名なメーカーの部長とお話をする機会がありました。
その部長、悪気はなかったと思いますが「うちの社員はお客のいいなりなんですよ」と部下の仕事振りを真剣に悩んでいました。
普段思っていることだからポンポンと出てきた言葉と私は感じました。
恐らく、この部長はお客様の存在を正しく理解していません。
なぜならお客様のご要望・ご意見に真摯に取り組んで行くことが今の時代では求められます。
マーケティングの用語でいうところの「プロダクトアウト」から「マーケットイン」や「カスタマーイン」の時代だからです。
高度経済成長の時代やバブルの全盛期は違っていました。
お客様の存在を考えなくても売れる時代でした。
極端に言うと「欲しいなら買いな」的な商売がまかり通る世の中でした。
しかし、今の時代はお客様の存在をないがしろにしているとお客様がその商品やサービスを見向きもしなくなります。
特にSNSによる口コミでうわさが加速度的に拡がっていってしまいます。そうなってはもう手遅れです。
それでは予防的措置として何ができるのか。
企業の中で人材育成を考える場合、お客様がいるから自分たちの仕事が存在していることを徹底するべきです。
しかし、あまりにも当たり前のことすぎて忘れられているのが現状です。
だからこそ敢えて「お客様の存在」を考えさせるべきなんです。
弊社が行っている研修の中で、3日間の初任管理職研修があります。
3日目の午前中は全て「お客様の存在」についての研修プログラムを構成してあります。
管理職の任務、部下とのコミュニケーション、部下育成の手法と進めてきて「あなたの部門にとってお客様とはどの様な存在でしょうか」という問いかけからスタートします。
「うるさい存在」
「文句ばかり言う存在」
「お金をくれる存在」
と思考が浅い段階ではこのような雑談レベルの内容が多く出てきます。
次第に核心に迫ってくと「忘れていたなぁ」「失礼なことをしていた」「何か勘違いしていた」と反省の弁が聞こえてきます。
鉄は熱いうちに打ちの言葉通り、新入社員研修の早い段階から徹底していくべきです。
役員クラスの幹部研修でも時々投げかけてみても効果があります。
だいたい企業で不祥事が起きて、原因究明をしてくとお客様の存在を無視した仕事振りに原因の一端があったりします。
備えれば憂いなしです。
お客様に対しては「ありがとうございます」の気持ちです。
お客様があること自体がむずかしいことなんです。
だから「有り難うございます」の気持ちを人材育成の中に入れていくべきです。
企業の中で人材育成に関する研修プログラムを作成する場合に注意するべき重要なポイント
人材育成ではどの階層でも「能動的学習」がとても重要
社内で行われる社員研修でも、一般の方が参加できる公開セミナーでも講師がテーマに沿って講義を行います。
そして、たいていの場合は有意義と感じることを教わります。
または、自分が知りたかったことを知ることが出来てとても満足感を得ることもあります。
この状態のことを簡単に言うと「あー勉強した」このような感じです。
しかし、エドガー・テールが提唱している学習ピラミッド(The Learning Pyramid)によると講義から得られる平均学習定着率(その学習でどの程度身についたか)はたった5%と驚く結果が示されています。
研修講師としては、体感的に20%~30%くらいはあるだろうと思っていましたが悩ましい数値に唖然としました。
なぜなら、講義で講師が必死に伝えても95%は定着しないという結果だからです。
学習には受動的学習(Passive Learning)と能動的学習(Active Learning)の2つがあります。
講義は前者の受動的学習(Passive Learning)になります。
講義を受講するというのは漢字が示している通りで、受け身の学習です。
百聞は一見に如かずということわざにある通りで、百回話を聞くより一回見るほうが効果があることが学習ピラミッド(The Learning Pyramid)でも示されています。
読書すると定着率10%になり、視聴覚教材(動画など)を使うと定着率が20%まで上がることが示されています。
それでも、受動的学習(Passive Learning)だけでは限界があります。
研修講師の世界では、講師初心者はあらかじめ用意された研修プログラムに沿って研修を進めます。
経験を積んでいくと、研修プログラムの手直しや一から研修プログラムの構築を行うようになります。
その場合、きちんと研修効果を考えて研修プログラムが構築されていれば問題ありません。
しかし、本質を知らない人が構築すると講義だけで研修プログラムが作られてしまいます。
5%の定着率で終わってしまいます。不幸の始まりです。
それではどうすればよいのか、一言で言うなら受け身の学習から能動的な学習に変えることです。
研修講師の話を座って聞くだけではなく、その内容に関してグループで討議を行うだけでも学習効果が跳ね上がります。
平均学習定着率では50%と示されています。
さらには、実体験してみると空に効果が高まり平均学習定着率が75%にもなります。
学校の授業でいうところの演習や実験です。
あくまでも演習・実験なので実際の行動(接客・製作など)に移さないとダメ。
トライ&エラーを繰り返しながら学習した内容を定着率100%つまり身についたと言える段階まで引き上げていくこと。
これが企業の中で行う人材育成では重要なポイントになります。
最後に漢字の確認です。講義の義にはニンベンがついていません。講師が義を講ずるからで、受講者・参加者は聞くだけ。
一方で、討議や会議にはニンベンが付いています。
受講者・参加者が意見を言ったり、発表したりするからです。
さて、あなたの会社で行われている研修は講義一辺倒ではありませんよね?
社員教育を真剣に考えるなら、人材育成コンサルタントから見た研修講師の選び方
研修講師に多い口癖と昔取った杵柄
研修講師には資格の更新や自動車免許の様な免許更新時に行う更新時講習会の様なものがありません。
そのため、意識の高い研修講師は自腹を切って各種勉強会に参加しています。
また、研修会社に社員として勤務している研修講師は社内で技量のチェックが行われる場合もあります。
しかし、独立して生業として研修講師を行っている人の多くは一度研修講師になるとほとんど指導方法などのチェックを受けることはありません。
当初は、指導に関する基礎・基本を身につけていた研修講師でも時間の経過とともに我流になってしまいます。
良い方の我流ならいいのですが、悪い方の我流だと困ります。
そして、悪い方の我流に突き進んでいく研修講師はいるんです。
時々ですが、他の研修講師が指導している場面を目にします。
自分がいち受講者として参加している時もあれば、複数クラスで同時に同じ研修カリキュラムで進めていて合同で講義をするような時もあります。
その時、出来る講師か駄目な講師か見分けるとっておきの方法があります。
それは、講義中の話し方の中にあります。
何か説明なり、解説した後「いいですか」「よろしいですか」と受講している方々に念を押すような言葉を言っている講師がいたら要注意です。
プロとして27年間研修講師をしてきた経験上の鬼の目チェックなんです。
「いいですか」
「よろしいですか」
とは一見すると確認しているようにも聞こえます。
しかし、講師側のある心理が働いているんです。
ストレートに表現すると、講師の自信のなさの表れです。
自信がないからついつい確認・同意を求めてしまうんです。
いろいろな意味で経験豊富なベテラン講師の中には「よろしいか」と横柄な口調で高圧的に確認を求めてきた大先生もいました。
偉い先生なんでしょうが、お里が知れてしまいます。
また、やたらと「昔は・・・」「以前は・・・」と過去のことを持ち出してくる研修講師も要注意です。
特に、新入社員研修や若年層の研修の場面で昔のことを持ち出されても仕方ありません。
未来を語ってくれるのならまだしも、将来ある人に過去のことを語っても仕方ない場合がほとんどです。
このような時は、英語でいう「so what」です。
「だから何なんだ」と言葉には出しませんが、心の中では思ってしまいます。
もっとひどい研修講師になると過去の自慢話に花が咲いてしまって、研修テーマから脱線しすぎの人もいたりします。要注意です。
企業が人材育成を行うために、研修会社や研修講師に依頼することは多くあります。
あなたの会社にやってくる研修講師の言動観察をしてみてください。
何か、感じられるかもしれません。
言ってる張本人の研修講師は無意識でいっている場合がほとんどです。
周りから指摘されて「ハッ」とする場合がほとんどです。
研修講師の選び方は大切です。