人間力を向上することが企業が行う人材育成で一番大切なポイント
人間力の向上が人材育成では大切
1992年の10月に研修講師の道に入り、27年目に突入しました。
紆余曲折を経て今日に至っています。
文字通り、北は北海道の釧路から南は沖縄の恩納村まで全国を研修で訪れています。
企業規模も、東証一部上場企業から社長以下2人の零細企業まで研修を担当してきました。
ここまでの道のりで気がついたことは山ほどあります。
しかし、その中でもとても大切と感じていることの一つに「ABCの徹底」があります。
Aは当たり前のこと。
Bは馬鹿にせずのこと。
Cはちゃんとやるのこと。
この「ABCの徹底」が出来ていない会社がほとんどだという事実をご存知でしょうか。
企業規模の大小にかかわらず、企業活動をしていると毎日様々な問題が発生します。
安全・品質・接客とあげればきりがないです。
その原因の多くが、当たり前のことを疎かにしてしまっていると私は研修の現場目線で感じています。
創業100年を超えている某メーカーがあります。
この会社は損得で判断せず、善悪で判断することを100年以上前から会社の方針として掲げてきています。
事実、ここ10年くらいの間に各社が「コンプライアンス」「法令順守」「ガバナンス」と声を上げています。
しかし、この某メーカー100年以上前から社内で事あるごとに事の善悪で判断決断することを会社の方針としてきました。
そんな会社でも、毎年のように安全・品質に関する問題が発生しています。
しかも、人為的ミスによる原因がほとんどです。
つまり、「A当たり前のこと」がA当たり前に行われていなかったという結論です。
この会社、原因の分析は半端ではありません。
一つの事象をとことんまで掘り下げます。
少し見方を変えて、「A当たり前のこと」とは何として当たり前のことなのか。
専門技術者(プロ)として
企業の一員(社員)として
仕事をする人として
社会人(大人)として
一人の人(人間)として
上記のいずれかに該当してきます。弊社では5つの階段(ステップ)と称しています。
専門技術者(プロ)としてA当たり前のことが出来ていないとした場合、知識・技術不足が考えられます。
知識・技術の研鑽を積む必要があります。
これなら指導教育でカバーできます。
企業の一員(社員)としても同様です。
問題なのが、社会人(大人)としてと、一人の人(人間)として「A当たり前のこと」が出来ていない場合です。
これは、一日研修を受講しただけではそうそう変わりません。
人の本質の部分なので、かなり厄介です。
しかし、ここに着目して指導教育をしていかなければ大変なことになってしまいます。
5つの階段(ステップ)に関してですが、専門技術者(プロ)としてどんなに知識・技術が高くてもその土台が腐っていたらどうなるでしょうか。
よく例えるのですが、専門技術者(プロ)の部分がビルの上物とします。
一人の人として(人間)の部分が建物の基礎とします。
ビルを建設する時、どんなに上物を着飾っても土台の基礎の部分が軟弱だとどうなるか一目瞭然です。
同じように、人材育成もどんなに素晴らしい知識・技術を身につけてもそれを使う人の根っこが腐っていたら駄目です。
テレビや新聞で毎日のように企業トップや教師、公務員の不祥事が報道されています。
社会的に地位も名誉もお金もある人たちです。
その分野でも専門家としてバリバリ仕事をしていたはずです。
何が問題なのか、やはりその人の人間性・人間力に問題があります。
一人の人(人間)としてA当たり前のことを、B馬鹿にせず、Cちゃんとやるべきなんです。
巷では歩行者用信号機が赤なのに平気で横断していく人をよく見かけます。
いかがなものでしょうか?