研修プログラムを構築する初期段階が企業の人材育成の課題解決に大いに貢献する真実
課題解決に適した研修プログラムが人材育成を左右する
研修講師として一番楽しい時間があります。
それは、各企業の社長や人事教育担当者の方と話し合いながら研修プログラムを一から構築している時です。
だいたいどこの研修会社でも階層別やテーマ別に研修プログラムが用意されています。
そのため、研修会社の営業担当がお客様のご要望を聞いて研修プログラムを当てはめていくのが普通の流れです。
ひどい場合は、研修会社の営業が受注してきた案件を業務委託している下請けの研修講師に丸投げして研修が行われる場合もあります。
お客様軸ではなく、研修会社軸になってしまっています。
これでは、お客様先の人材育成のための研修なのか疑問が湧いてきます。
研修会社の売上と利益確保のための活動のようになってしまいます。
ここで、考えるべきなのは社長や人事教育担当の方なら人材育成を行う目的は何かです。
研修会社は当然、研修を行う目的は何かです。
そもそも、研修会社の営業担当は営業活動をして売上を確保することが仕事です。
慈善事業で仕事をしていません。
厳しい営業ノルマが課せられています。
だから、引っ張れるひもは何でも引っ張ります。
出来もしないことでも
「出来ます」
「大丈夫です」
「お任せください」
と言うに決まっています。
「出来ません」
「無理です」
「不可能です」
なんて言ったら次がありません。
そのため、何でもお客様の言いなりに引き受けてきます。
その後どうするか、営業担当が研修プログラムを構築することはまずありません。
営業活動がメインなのですから。
そこで、冒頭の文章に戻ります。
営業の初期段階では社長や人事教育担当は研修会社の営業とやり取りをします。
しかし、話が進み次の段階に移行したのであれば担当する研修講師の同席を求めるべきです。
実際に受講者と対峙する研修講師に直接研修内容の細かな要望を出し、意見を求めることです。
経験豊富な講師なら様々なアイデアを持っています。
その場で「これはどうでしょう」「ここはこうしましょう」と的確なアドバイスをもらえます。
研修講師が研修プログラムを作成するうえでも現場の生の声が聴けます。課題の本質が何なのか理解できます。
私の場合で恐縮なのですが、そうやって毎回研修プログラムを構築しています。
出来上がった3時間のプログラムも3日間のプログラムも期間の長短に関わらず、何故か自分が受講したくなります。
プログラムを構築している段階からワクワクしてきます。
忙しい社長や人事教育担当者と、研修を担当する研修講師の貴重な時間を費やすため物理的に困難な場合もあります。
しかし、社内の人材育成に関する課題を解決するとても重要なテーマです。
そこは、多少の無理をしてでも打合せの時間を設けて、本気・本音・本心で話し合いを重ねていくべきです。
何のための研修なのか、目的は何なのか原点に戻って人材育成の重要性を考え直してみてください。
大切な利益の中から教育に関する予算を捻出して実施される研修です。