人材育成コンサルタントが企業の人材育成に関する課題を解決~見逃されている秘密を教えます

人材育成の専門家として26年間、上場企業から中小零細企業まで様々な業種・業界の研修を一生懸命担当し、たくさんのファンを獲得してきました。経営者・人事教育担当の方々の知りたい人材育成・社員教育・社員研修のポイントや裏技を分かりやすく解説します。

企業が行う人材育成の課題解決で人間力向上のためには一事が万事を見逃さないこと

企業の人材育成では一事が万事を見逃さないこと

 

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研修に行くとその会社や働いている人たちの基本的な姿勢が見えてきます。

中には社長自らが鈍感な人もいます。

ある地方のかなり大きな製造業の会社でのことです。

社長以下役員がオブザーバーと称して最後列に参加していた若手のリーダー研修での一コマです。

開講にあたり、社長の訓示が約5分ありました。

その後、バトンタッチして私が開講の挨拶を行いました。

講師として、挨拶をしながら受講者の言動観察を行います。

当然ですが、社長が訓示をしている時から受講者の社長の話を聞く姿勢を事細かく観察します。

ここでは、メモを取る人と相槌を打っていた人は皆無。

社長の訓示中によそ見をしたり、下を向いている人半分以上。

さらにバトンタッチして表情を見ると、朝から眠そうな人が数人。

一番驚いたのがガムを噛んでいた人が一人いました。これは、さすがに見逃すことが出来ませんので指摘をしました。

一事が万事、社長が鈍感だとこのような会社あるんです。

仕事に取り組む姿勢、製品やサービスに対する姿勢、お客様に対する姿勢などすべてに悪い影響を及ぼしてしまいます。

 

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企業の人材育成では、何とか理論や何々スキルがどうのこうの言う前にやることがあります。

たいていの人があんなこと・そんなこと・こんなことと感じるような些細な事でも疎かにしてはいけない場合があります。

もちろん、業種・業界・職種・地域性によっても違うと思いますが一事が万事を忘れてはいけません。

この会社、業界を襲った世界的な不況の影響でなんと35%のコスト削減を行わないとならない重症の会社でした。

コスト削減を取り組んだことがある人なら35%という数字が天文学的な数値に近いと感じるはずです。

社長を筆頭に全社員、協力会社を含めて文字通り一丸にならないとなりません。

些細な事を見逃している場合ではありません。

 

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人のちょっとした気のゆるみが、10人100人1000人となったら取り返しのつかない状態を巻き起こします。

この会社、実際に取り返しのつかない瀕死の状態でした。

研修前の最終打合せの際、広い構内をヘルメットと安全ブーツを着用して総務担当の執行役員と一緒に巡回しました。

お客様用の色の違うヘルメットを私は着用していました。残念ながら、挨拶をしてくれた人皆無でした。

製造現場なので、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の観点からみると躾以外は表面上はかなり徹底されていました。

表面上はです。

研修講師の目は悲しいことに職業病で裏面に目が行ってしまいます。

私の場合は人材育成の専門家なので、人材育成の視点で鬼の目チェックをしました。

問題が発生しますので、詳細はここでは割愛しますが100項目以上の指摘箇所が浮上してきました。

だからこそ、呼んでいただいて研修実施となったわけなんですが。

細かな点、一事が万事を見逃してはいけません。

 

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若手クラスのリーダー研修を行って現場を引き締めようと思っていた社長、役員は一日研修にオブザーバーとして参加して何を感じたのか。

実は自分たちの行動を猛省したんです。会社が瀕死の状態なのに、経営陣が後ろでふんぞり返って研修を見学していたことに罪の意識を感じましたと社長の弁。

早速、全役員、関連会社の社長を対象とした研修が企画されました。

そうなんです。

本気で会社を変えようとするならトップダウンは当たり前のことです。

笑えない話ですが、全役員・関連会社社長対象の研修で休憩後のリフレッシュスペースの使用状況「最悪」と評価して、片付け直しをしてもらいました。

 

  タバコの灰が灰皿に山盛り、灰皿の下に灰が落ちている。

  飲みかけのコーヒーがカップに入ったまま放置。

  椅子がテーブルの中にきちんと入れられていない。

  人がいないのに電気がつけっ放し。

  出入口のドアが開けっ放し。

 

一事が万事なんです。

細かな事に、目配り・気配り・心配り・配慮する姿勢があるか、ないかで次の行動に変化が生まれます。

その行動如何によって、会社が変われるチャンスは結構あるものです。

 

一事が万事は人材育成を行ううえでとても大切です。