企業が人材育成の一環として行う部下育成のポイント
企業の人材育成の課題、部下育成の過去と現在
部下として配属になった新入社員と昼食時、2人でラーメンを食べに行ったとします。
目の前で、その部下が両肘をついて美味しそうにラーメンを食べ始めました。
この場面で、何も感じない上司は問題発見能力なしです。
従ってたいていの場合上司は何らかのアクションを起こします。
広い意味で部下を指導するということなります。
部下の言動を観ていて、改善点を発見した場合にたいていの上司は「注意する」「叱る」「怒る」という行動を取ります。
ある面では正しいのですが、正確には現代では間違いと言われてしまいます。
ご飯を食べることは、人間が生きていく上で大切な本能の一つです。
従って、一人一人の本性が出やすい場面と言われています。
事実、長野県にある精密機械メーカーの社長は入社試験の一環として、最終面接に魚定食を一緒に食べることにしています。
理由はシンプルです。
精密機械の会社なので、繊細な神経が求められます。
従って社長自ら一緒に食べながら、面接に来た人の食べ方を見て合否を決めている有名な話があります。
話が少しそれましたが、この肘をついてラーメンを食べている新入社員はご自分の本能、癖がここに表れています。
食事の時間に肘をつく行為は、本来であれば親が家庭で躾けるべきことです。
または、学校の先生が社会人になる前に指導するべきことです。
しかし、躾や教育が家庭や学校でなされていないために社会人になっても当たり前のことが出来ていない新入社員が多いのは現在の状況です。
従って、躾けられていないことや指導教育を受けていないことに関して、新入社員は知らないこととなります。
聞いたこともないこと、知らないことなのにいきなり「注意された」「叱られた」「怒られた」となると新入社員の心の内はどうなるでしょうか?
人間が出来た新入社員なら「ご指摘ありがとうございます」と受け入れる人もいるかもしれません。
しかし、たいていの場合「なんだそれは」「聞いてないぞ」となってしまいます。
中には、キョトンとした表情をする人もいるでしょう。
あからさまにムッとした表情を見せる人もいるかもしれません。
俗に言う昔の部下指導では、「なんだその顔は」と追い打ちをかける言葉を浴びせかけてしまいます。
完全にハラスメントに抵触する言動です。
しかし、現在は昔とは時代が違います。
躾や教育されていないことが多い状態で社会人になってしまう人が沢山います。
受け入れる上司はその点をよく理解しておく必要があります。
「昔は」「私が若い頃は」と言っても何も始まりません。
現在は今の世の中の風潮に合わせて、指導する上司も変化を求められています。
知らない人を叱っても何も始まりません。
知らないのであれば、正しい方向に導いていく寛容さが求められるのが現在ということになります。
では、先ず何からするべきなのかそれは、上司が良きモデル・模範・手本を示すことです。
「やってみせ・・・」とあるようにです。