企業が人材育成の一環として行う新入社員研修のポイント
新入社員の驚きの行動アレコレ
はやいもので、研修講師になって26年経過しました。
2018年度も各社の新入社員研修を担当しましたが、某企業の新入社員の驚きの行動を目の当たりにしていろいろと考えさせられました。
どこの企業でも新入社員は社会人としての心構えを早く身に着け、職場で上司や先輩の仕事を覚えることを求められます。
当然、新入社員研修ではその点に目を向けたカリキュラムが用意されています。
入社式から社内オリエンテーション、各部署の紹介、ビジネスマナー講座とプログラムに沿って教育が進んでいきます。
右も左もわからない新人だから手取り足取り指導する会社もあると思います。
社会人になるための最低限の常識は、学生時代に身に着けている人を採用している会社もあります。
本来家庭や学校で躾けられるようなことまでは指導する必要はないだろうと思っている会社は意外に多いものです。
私が見た驚きの光景とは、5月の連休明けに行われた新入社員フォロー研修の日でした。
定時がきて身支度をした新入社員の集団と前後して最寄りの駅に向かっていました。
すると、改札口付近でその新入社員の集団の中の4~5人が菓子パンを食べながら歩いていました。
研修を担当している会社の新入社員でしたので、責任上指導する必要がありました。
先回りをして、彼らの前に仁王立ちしてみました。
なんと、こちらのことを気にもせず横を素通りしていきました。
何故なのか、瞬時にピンときました。
パンを食べていたのは本社採用の新入社員の集団でした。
私が新入社員研修を担当していたのは地方拠点採用の新入社員さんたちでした。
この会社、今年から本社採用の新入社員には私が担当している基礎的な研修を受けさせる必要はないと本社の方針変更があったとのことでした。
基礎的な研修では、体育館を使って構内の歩き方や狭い通路での周囲への配慮の仕方を理論と実践の両面から指導します。
また、歩きスマホはしない・歩行中の飲食はしないと言った本来しないことが当たり前と言われるようなことまで事細かく説明して行きます。
「わかっているだろう」ではなく、「出来るまで言い続ける」を基本的なスタンスとして指導しています。
時々、「エッ、そんなことまで言われるんですか」と質問を受けることがあります。
しかし、そんなことまで事細かく指導しないと新入社員には伝わらない場合がほとんどです。
何か起きてからでは始まりません。
すべて、予めの法則に従って予想し・予測し・予備し・予習し・予報しです。言い過ぎて困ることは何もありません。
言わないで困ることはたくさんありますが・・・
ちなみに、パンを食べていた件ですが翌日ヒアリングが行われました。
「なんで歩きながらパンを食べていたのか?」に対して「歩きながらパンを食べてはダメと言われていません」とシンプルな返答があったそうです。
こちらからすると、非常識・ありえないことなんです。
しかし、彼らは常識・普通のことなんです。ただし、「こうでこうだから歩きながらパンを食べるのは・・・」と説明してあげれば理解しますし、行動も改めるんです。
このような事、大なり小なり起きていることです。
さてさて皆様の会社の新入社員はいかがでしょうか?皆様の会社では、「そんなことまで会社で教えるのか」というような些細なことまで指導されているでしょうか?
なにごとも一事が万事です。
凡事徹底です!!